「日々の指針」
 ー 西園寺 昌美 著

神のみを見つづけよ

1.

人はつい自慢したくなる時がある。問われもしないのに、自分の知性をひけらかしたり、尋ねられもしないのに、自分の徳を云いふらしたりついしてしまう。恥ずかしいことである。悲しいことである。淋しいことである。自分の素晴しさを他人の前で認められることを誇りに思うものであろう。だが自分から云わずとも、人は必ず自分の隠れた才能や徳をみているものなのである。

ましてや天は!

2.

自分の周囲で何が起ろうと、その渦にまきこまれることなく、自分の歩む道をはっきり示していける人は大したものである。自分自身に余程自信がない限り出来るものではない。心弱き人はつい周囲の人と同じ道を歩まなければ、一人だけ孤立したような不安感にかられるものである。神のみを見つめ求めつづけている人にはそれが出来る。

3.

五井先生のみ教えは、人間の最終目標に根ざしているものであるから、その中途の段階をあまり問題にしていない。だからご利益のみにひかれてくる人達は、最初はあまり満足が得られないかもしれない。だが月日がたつと、自然と自分の目標が高く変わっていることに気がつくのである。最終目標に達するまでの間に、ご利益や奇跡が生じるのであって、誰しもが途中の段階を飛びこえて最終目標に到達することはないのであるから、結果的には、誰しもがご利益や奇跡をいただきながら、人間本来の目的(神我一体)に達してゆくのである。

4.

自分の喜びが神の喜びでもあり、自分の望みが神の望みであれば、こんな素晴しいことはない。神我一体、神人一如の如く、自分の幸せ即神の至福にいたれば、迷う心など微塵もない。その為には、神の心のほうに自分の心をつねに振りむけ、神と我とは一体である、という真理を自覚して生きていけばよい。

書籍「日々の指針」(日本語/Japanese) 西園寺 昌美 著

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