「日々の指針」
ー 西園寺 昌美 著
自分に生きよ
1.
貧乏人だった人が金持になると、自分が貧しかったことを誰にも知られたくないが為、大体、過去を完全にぬぐい去ろうとする。その為、新しい過去、はじめからお金持で優雅な生れであったかのような過去をつくりあげようとする。そうすればする程、外面の豊かさとはうらはらに、昔、貧乏であったことを心の中に背負いつづけて生きていることになってしまう。貧乏を隠そうとすればする程、化けの皮ははがれてゆく。見栄をはらず、もっと正直に生きることだ。賢者は外面のきらびやかさより、内面の豊かさを好むものである。
2.
未来のことは人間には知りようがない。これは全く間違いない常識だ、と普通世間一般では考えられているが、果してそうなのであろうか?いやそうではない。人間誰しも予知能力は潜在的にあるのであるが、現在を生きるにあたって、何もそれらの能力を強いて使わずとも、楽々と生きていけるので、だんだん退化してしまったにすぎない。その能力を認めて使うようにすると、次第に目覚めてくるのである。
3.
この世の社会的欲求(地位、権力、財産)を求めている人々は、その欲求を満たすことが出来たとしても、実際には地位や権力を持っている間だけ、金や財産を持っている間だけの満足しか得られないのである。一旦それらをすべて失った時、地位、権カ、財産など人間社会の欲求を満たすことの空虚さを強く感じさせられるであろう。イエス様が言っている如く「汝もし全世界の金を儲けるとも、明日に生命を失わば何の価値あらんや」である。
4.
あなたを心から必要としている。頼りにしている。なくてはならない人。素晴しい。明るく輝かしい。優しい。美しい。頭がいい。才能がある。寛容な心。思いやりがある、、、こういった積極的な言葉をどんどん子供や夫や妻に向かって使いなさい。すると、相手はどんどんそのような言葉にふさわしい人となってゆく。