如是我聞 ー五井先生の言葉ー(日本語)
高橋 英雄 編著
203.
熱狂は危険です。私自身、若い時は熱狂的だったから、危険だということを経験上よく知っている。一歩踏み違えると、自分自身を破滅させてしまうし、その属する団体なら団体をめちゃくちゃにさせてしまうからね。けれど今日までは熱狂的ぐらいでないと、その目的が達せられないんだね。そこがむずかしいところなのだ。 しかし、それは今迄のことであって、これからは地味な、静かな運動でなければ本当の仕事は出来ない。それはその運動の中心者が私利私欲のない人でなければいけない。けれどそういう人はいないんだね。権力欲というのが常に残っている。宗教団体においてそうだからね。私利私欲をなくすということがむずかしいんだね。 いやそんなことはない、と思う人がいるだろう。自分個人としては私利私欲がなく、その主義、運動に挺身していても、その主義、運動、団体に私利私欲というのが出てしまうのだ。他を排撃したり、他を打倒しようと策動する。だから自分自身とその行動というものを、よくよく冷静に見つめなければいけない。
■書籍「如是我聞 ー五井先生の言葉ー」(日本語/Japanese)
高橋 英雄 編著
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