明日を明るくするメッセージ / 西園寺 昌美 著
世間には、劣等感に打ちひしがれている人や臆病な人、気の弱い人が結構いるものです。
劣等感には、体型や顔の造作など身体に関するもの、経歴や家柄に関するもの、所持品や言葉の訛りに対してなど、様々なものがありますが、劣等感があると、それが常に災いして、人と対等に付き合うことが出来ないのです。
人に自分の意見を述べたいと思いながらも、劣等感が脳裏をかすめて、
「ああ、自分はそれに相応しい意見をいう柄ではないんだ」
と、躊躇してしまう。たとえ、その意見が自分の体験から出た、相手に対して説得力のある良いものであったにしろ、口ごもってしまうのです。
「自分に相応しくないことをするな。お前は他と競争するような立場にない。黙っていろ。引っ込んでいろ。」と、自分で自分を制してしまう。
それを繰り返していくと、人との付き合いも億劫になり、自分の殻に閉じこもってしまうのです。
ですから、劣等感が自分の心を占めてしまうと、一生、正しい意見も言えない状況に自分自身を追いやってしまうのであります。
また、臆病な人というのは、何をするにも、どきどきびくびくおどおどしてしまう。
これは劣等感とは違って、自分に自信がない人です。
常に人に頼りたくなる。
人に頼ることが習い性になると、この、どきどきびくびくおどおどは一生取れないのです。
気の弱い人も同様です。
劣等感のある人も臆病な人も気の弱い人も、突き詰めてゆくと、皆マイナス思考です。
物事を悪く悪く判断してしまうのです。
そして、自分は人からこう思われているだろうと、自意識過剰におちいるのです。
逆に周りの人たちは、その人がこだわっている事柄をさほど気にとめていないのです。
ですから、劣等感に悩んでいる人、臆病な人、気の弱い人はまず、周りの人が自分に目を向けているだろうという想いを捨てなければならない。
人はそんなに暇でもなければ、あなたに興味を持っているわけではないのです。
あなたが優れた才能や、優れた発明発見をした人なら、周りの人は関心を抱くでしょうが、普通の人であれば、そんなに関心は抱きません。
あなた一人で、困って、苦しんで、もがいているに過ぎないのです。
劣等感を抱いている人、臆病な人は一刻も早く、そういう状況から脱しなければなりません。
そのためには、逃げないことです。
何かをする時、自分を躊躇させようとする劣等感が脳裏をかすめたら、それを追い払って、勇気を持って逃げないで立ち向かってゆくことです。
それで失敗したり、恥をかいたり、屈辱を感じても、めげずに挑戦するのです。
何回も挑戦するうちに、それが武器になり、不安や恐怖がなくなって、人と自然体で付き合えるだけの強い自分に変わってゆくのであります。
劣等感に悩む人、臆病な人、気の弱い人は皆、その状況から逃げ出そうとする人です。
逃げ出すために、いろいろな策略を巡らし、逃げ出すための弁解を、自分自身で一生懸命して、自分の心を納得させて逃げ出してしまう。
そういう状況を作り上げているうちは、その劣等感からは一生、抜け出すことは出来ません。
勇気を持って逃げないで、突き進むことです。
突き進めば、必ず道は開けるのです。
勇気を持って自分を包み隠さず、正直な心でぶち当たっていく。
それがコツです。